私は、物心ついた頃から対人恐怖を抱えています。
実は、大学生まで、家族や限られた友達以外とはまともに会話することができませんでした。
具体的には、下記のような症状がありました。
- 話しかけられてもまともに返せない
- 他人と目を合わせられない
- 声がうまく出ない
- 人前で食事することが苦手
このような性質から、たくさん辛い経験をしましたし、苦労することも多くありました。
喋らないことをからかわれたり、グループ活動が苦痛だったり、毎日の給食の時間がストレスだったり…
そうして大学生になった頃、私は、一大決心をしました。
対人恐怖を少しでも克服するために、接客業のアルバイトに挑戦しよう!と思い立ったのです。
職場は転々としましたが、合計で5年ほど接客業に携わってきました。
その結果、様々なスキルを身につけることができ、以前よりも対人恐怖を和らげることに成功したんです!
今回の記事では、対人全般に苦手意識を抱いていた私が、接客業を経験することで得られたメリットやスキルについて、説明していきたいと思います。
私の場合はこうだった、という記事ですので、対人恐怖を抱えている全員に当てはまるわけではないと思います。あくまで私自身の経験談として参考にしていただければと思います。
対人恐怖症が接客業を通して得られたスキルとは?
その1…話を聞く姿勢が取れるようになった!

対人恐怖症が接客業を通して得られたスキル1つ目は、「話を聞く姿勢を取れるようになった」ことです。
人との会話において、何を話すか?どう話せばいいか?といったことに意識が向きがちだと思います。
意外と見逃されがちですが、相手の話を聞くこともかなり重要なんです。
これは、私が大学生のときに通っていた、カウンセラーの方にアドバイスされたことです。上手く会話ができないという相談をした際、話すことよりもまずは聞くことを意識してみようと教えてもらったことがありました。
話すよりは聞くことの方がハードルが低いと感じたので、その教えは実行に移しやすかったです。
特に、アルバイトにおいては一日にたくさんのお客さんと接するため、「聞く姿勢」の練習にはうってつけでした。
聞く姿勢とはいっても、下記のようなことを意識して行っていました。
- 相手の話をうなずきながら聞く
- 時折「はい」と相槌を打つ
- できる限り相手の顔を見る
もちろん、最初から上手くはできません。これらの動作に意識が向きすぎて、話の内容が頭に入っていなかった…(泣)なんてこともありました。
しかし、回数をこなすうちに、自然と「聞く姿勢」を取れるようになっていきました。いつの間にか、これらの動作が習慣化していたのです。
話を聞くことができるようになれば、自分に自信がつき、対人への不安も軽くなったように感じられました。
このときに身に付いたスキルは、今でも相手の話を聞くときに役立っています。
その2…会話のとき相手の顔を見れるようになった!
対人恐怖症が接客業を通して得られたスキル2つ目は、「会話のとき相手の顔を見れるようになった」ことです。
実は私、大学生になるまで全く意識したことがなかったのですが、人と目を合わせるという行為をほぼしてなかったんです。
(家族や特に親しい友達に対しては、あまり意識することなく目を合わせていたのだと思うのですが…)
正しくは、怖すぎて無意識に避けていたのかもしれません。
つまり、ずっとうつむきながら話していたのです。今考えるとめっちゃ態度悪いヤツですね…。
大学生になって、カウンセラーの方と1対1で話したり、アルバイトでお客さんや職場の人たちと話したりと、会話の機会が一気に増えました。
よって、私って今まで人の目を見たことなかったかも!?と気にするようになったのです。
意識すると、ますます目を合わせるという行為が怖くなってしまいました…。
しかし、会話中に相手の顔を見ないことは失礼ですし、このままでは対人恐怖を乗り越えることはできません。
その1でも書いたように、相手の話を聞く姿勢がしっかりと取れることは、会話においてとても重要です。
そこで、私はこう考えました。
相手の目を見続けることは難しい。だったら、目ではなくとも相手の顔のどこかか、もしくは首回りにせめて目を向けようと決めたのです。
この「相手の顔か首を見よう作戦」は、その1で説明した「聞く姿勢」の練習と同時に行いました。
ですので、その1と重なる点もあるのですが、聞くときだけでなく自分が話すときにも意識して行いました。
こちらも、接客のアルバイトを通してたくさん練習することができました。
実は、今でも、しっかりと相手の目を見ることは難しいんです。ですが、会話の際にうつむくことはなくなりました。
会話のときに相手の顔か首を見るということは、今でも実践していることです。接客をしていた頃に意識して行っていたことが、今の自分を助けてくれていると感じています。
その3…以前より大きな声ではきはきと話せるようになった!
対人恐怖症が接客業を通して得られたスキル3つ目は、「以前より大きな声ではきはきと話せるようになった」ことです。
冒頭でも書いたように、以前の私は、会話するときに声が上手く出ないということがよくありました。
学生の頃、話しかけられたのに、声が小さすぎて何度言っても伝わらず結局諦められた…という悲しい出来事もあったくらいです。
こんな私にどうして接客業が務まったのか、不思議ですよね??
接客業にもいろいろな種類がありますが、私は主にレジ打ちをしていました。
実は、レジ打ちってセリフや動作がある程度決められているんです。
例えば、「いらっしゃいませ」「○○円のお買い上げです」「ありがとうございます」など…
このような定型文を覚えて声に出すことは、それほど苦痛ではありませんでした。
あらかじめ決められたことを言うのは、学生の頃からできていたことでもありました。発表会など人が集まる場面で、セリフを言ったりすることはできていたのです。
反対に、雑談となると今でも難しさを感じてしまいます。それは、相手の話に反応しながら自分の考えも口に出すことが求められるため、不安を感じながら行うには複雑だからかもしれません。
また、自分はレジスタッフとして振る舞っているんだという心持ちでいたので、普段より落ち着いていられたのかもと分析しています。
それでも、デフォルトの声が普通の人よりも小さいため、お客さんと接する中でも聞き返されることはよくありました。
その度に落ち込んでいましたが、同時に悔しいと感じる自分がいました。
接客業なのに声が聞き取れないなんてダメだ、もっとはきはきと大きな声を出したい!と、奥底に眠る闘争心に火がついたのです。
そこで、発声練習をしてみたり、お腹から声を出すイメージをしたりと、努力してみました。
接客に携わる身としての自覚が芽生えたことや、このような努力の甲斐があってか、以前よりも大きな声が出せるようになりました。
さらに、前よりもはきはきと話せるようになったと実感しています。これは、接客を経験したからこその成果だと思います。
その4…会話で使えるフレーズをGETした!

対人恐怖症が接客業を通して得られたスキル4つ目は、「会話で使えるフレーズをGETした」ことです。
その3で書いたように、接客には決まりきったフレーズというものがあります。いわゆる「接客用語」というもので、例えば下記のようなものが挙げられます。
- いらっしゃいませ
- ありがとうございます
- かしこまりました
- 少々お待ちください
- 恐れ入ります
- 失礼いたしました
- 申し訳ございません
これらの用語は、接客バイトをする前は使ったことすらありませんでした。
接客業をすることでこのようなフレーズを覚え、実際に使用していたおかげで、自分のものにすることができました。
親しい人とのプライベートな会話では、「恐れ入ります」や「申し訳ございません」なんてそうそう使いませんよね。
ですが、仕事中の会話や、あまり親しくない人と話すときなどには、接客用語が意外と役に立つんです。
以前までの私には、いろいろな場面ですぐに「すみません」と謝るクセがありました。何を言えばいいか分からないというのもありましたが、あまり印象は良くなかったと思います。
しかし、接客バイトを通して接客用語を身に付けたおかげで、スッと「失礼いたしました」「申し訳ございません」といったワードが出てくるようになりました。
言葉を知っていても、いざというときに活用できないこともありますから、接客で実践的な練習ができたことは良かったと思います。
接客の経験が対人恐怖を和らげてくれた。
今回の記事では、対人恐怖症の私が接客業を経験することで、得られたメリットやスキルについて解説してきました。
主に次の4つがありましたね。
- 話を聞く姿勢が取れるようになった
- 会話のとき相手の顔を見れるようになった
- 以前より大きな声ではきはきと話せるようになった
- 会話で使えるフレーズをGETした
完全に対人恐怖を克服できたわけではありませんが、これらのスキルは間違いなく自分の助けとなっています。接客業の経験は、対人恐怖を和らげてくれたと実感しています。
特に、私にとっては、実際に経験することが重要だったように感じました。
しかし、対人恐怖を抱える誰もが、接客業によってメリットを得られるとはいえません。
もし、対人恐怖症の自覚があるが接客業に挑戦しようという人がいれば、辛いと感じたら無理だけはしないでくださいね!


